映画の感想文でも。
観てきましたよ、「おくりびと」。
凱旋上映を神戸国際会館の松竹で観てきた。
僕は映画とか本というのは、そのストーリーから離れて
どれだけ画とか文章とかに描かれていない部分について
観る者に想像させることができるか、が大事だと思ってます。
その想像したことが何かメッセージになってることも重要。
そういう観点から観ると、非常にいい映画でした。
賞もらったものって、期待しすぎて裏切られたりするでしょ?
それがなかった。
この映画から僕が感じた最も大きなメッセージは、
「どうにかなる」っていうこと。和製ケセラセラムービー。
主人公は、自分の夢だと思っていたことがそうでないと分かった男。
彼がどのようにして人生を再構築するかを描いてる映画。
夢を追いかけることは悪くない。でも挫折しても死ねない。
結局、生きていかなければ仕方がないから何かやりだす。
そのさまがとても自然に描かれていて良かった。
そういう生き生きした主人公の扱うものが「死」であるという
コントラストもあって、観てるほうも飽きないのかもしれない。
他にも夫婦愛、親子愛、田舎の風情、死の身近さ、など
観る人の立場によって感じることは多種多様かも。
僕は自分がそうだからもあるが、今年から働く新社会人、
そして将来について考え中の就活生に観てほしいなーと思います。
きっと肩の力が抜けて、気持ちがスーッとすると思うなぁ。
最後に、
キャストが素敵すぎる。
特にモックン、山崎努、余貴美子の三人の空間はすごく濃いのに、
流れるように自然で、職人の仕事を惚れ惚れした目で見とれてしまう、
そんな気分になる。
いつ終わるか分からないし、お早めにどうぞ。
スケールの大きな話ではないが、DVDより映画館がおすすめ。
あの物語の空気に包まれて、浸って、癒されて欲しいから。